Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

マリア・ジョアン・ピリス最後の来日コンサート 大阪シンフォニーホール

これが最後の来日となるピリスですが、僕は14日大阪シンフォニーホールのリサイタルに遠征してきました。12日のサントリーホールでのベートーヴェン・プログラムの評判がかなり良かったみたいで、これで最後だし、ベートーヴェンピアノソナタはあと大阪しかやらないし、やはりどうしても観ておきたい、となって。

 

曲目はピアノソナタの8番悲愴、17番テンペスト、ラストの32番。私事で恐縮ですが、8番は自分でも10代の頃弾いていた曲(第一楽章のみですが)で思い入れがあります(大したレベルの演奏ではありませんが)。それはさておき、彼女の演奏はとても歌心にあふれたもので、ここまで優雅に旋律を歌わせられる悲愴ソナタを、今まで聴いたことはありませんでした。

圧巻は32番の最終楽章で、遊び心あふれ、かつ包容力豊かな演奏でしたね。大阪のお客さん達も、最後はスタオベで名残を惜しんでいました。これで、東京に戻ってのヘルベルト・ブロムシュテット巨匠との共演がますます心待ちになってきましたが、ラストなので寂しい気持ちもあります。

実は大阪遠征は今年3回目です。先月の大フィル・井上道義氏のショスタコーヴィチ2、3番(好きなんですが、全国レベルでも10年に1度実演あるかどうかのマイナー曲で外せなかった)、先々週の尾高忠明氏の大フィル監督就任のブルックナー8番ときて、今回のピリス引退公演。市内の移動も少し慣れてきました。年内にあと2、3回行くかも(笑)。