Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

キング・クリムゾン来日公演(12/18&19)

結局、昨日も東京最終日の今日も行ってきました!

今晩は最前列席を、行けなくなった人から譲り受けました。位置は向かって右端の方で、昨晩調子悪そうだったメルコリンズは、ほとんど見えませんでしたが、復調したみたいで良かったです。昨日もやや体調悪そうに見えましたが、そこをなんとか踏ん張っているという印象でしたので。

ギャビン・ハリソンのドラムがすぐ前で、ハイハットリムショットまで直でよく聴こえました。その分、左側のパット・マステロットの音はやや遠ざかってしまいましたが。
とは言え、多少のアンバランスさは補って余りあるダイレクトな魅力がありましたね。メンバーが張り詰めた中でも楽しんでプレイしている様子は、よく伝わってきました。

ムーンチャイルドのセカンドパートは、日ごとに趣きを変えてくるのが面白かったです。トニーのベースは今日の、フィンガーからボウイングに移行し、コンバンワ!でシメるバージョンが楽しかった。ギターは、フリップ&イーノを彷彿とさせるディープな18日バージョンがなかなか。

 

フリップが、次の来日はまた3年後の2021年じゃないか?と、冗談めかして言ったらしいですね。今回聴けなかった曲は、またの楽しみに取っておくとしますか。まさかの選曲も今後もあるかも?何はともあれ、健康にはお気をつけて戴き、またお目にかかりたいものです。

 
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キング・クリムゾン2018来日(12/17)

17日オーチャード、行ってきました。当日券ですが、2階3列目と好ポジション。

わりといきなり、今回の候補曲で期待していたサーカス〜リザード組曲が来ましたので、おおっやった!でしたね。フリップのロングトーンギター、特に「王子の嘆き」での荘厳なプレイにはシビれました。キース・ティペット・グループは当然いないので、原曲での先鋭性がいくぶん和らぎ、その分叙情性が強まった感じですが、曲としてのまとまりは、むしろ今回の方があったと思いました。

ちなみに僕はティペットは大好きでして、ソロ来日公演も行ってますが、クリムゾンとの相性では、ビミョーな部分も感じていたので。

まあ、大好きな「王子の目覚め」がカットされているのは、しょうがない。ジョン・アンダーソンのキーは、デイヴィソンでもツラそうな場面がかなりあるんで、ご本人降臨して貰わんことには。あと最後の”Big Top”もカットだけど、こっちはいずれ追加されたりしてね(笑)。

で、やっぱり音響的なポジションは上階の方がいい。クラシック向けの会場は、音が上方を目指していくので。特に生音がダイレクトに伝わってくるドラム隊は、トリプル効果を体感しやすい。自分の中でのオーチャードのベストポジションは、クラシック系なら3階最前列センターだけど(来年のクラフトワークではここを押さえたい)、今回のクリムゾンではどんな感じかな?

とは言え、一階前方の、アーティストの熱気がかなり伝わってくる席も魅力はあるんだけどね。

レッドA面の3曲やムーンチャイルド、ケイデンス&カスケードも演奏されたので、前回(11/30)演奏されてなくて、今回聴きたかった曲はかなりカバーできました。30日も充分良かったですが、17日の満足度はより高かったですね。セトリや座席位置もあるけど、演奏コンディション自体が、さらに良くなっていたと思うので。

アンコールのスターレス&撮影タイムが終わってメンバーが引き上げても、なかなか鳴りやまなかった拍手が、全体的なオーディエンス反応の良さを物語っていました!

あとはこの来日でぜひ聴いておきたい曲っていうと、2015でも個人的未聴だったパート1、あとはフラクチャーあたり(ヒーローズ来ないかな?)。

 

しかし、メル・コリンズのコンディションは、ちょっと気になっていました。
特に最後のスターレス、終盤の山場でステージの照明がレッドに転換し、フリップのギターが危機感を高め、いよいよクライマックス!というあそこの場面で、メルがちょっとモタれ気味だったので、??と思いました。
となりのトニー・レヴィンが気にかけてましたね。メル自身も納得していない素ぶりがあったように感じました。心配です。

 

当日券の座席はホント運任せですね。昨日は、残り物には福がある!っとばかり、開演時間ギリギリまで粘って購入したのが良かったようです。

17日だけ単独参加の人だと、21stは?エピタフは?アイランズは?パート4は?と思った方々も少なくなさそうですね。ある程度は、色々と聴きたい曲が演奏されて満足したよ!ってゆうレベルだと、2公演くらい行かないとなかなか難しいかも?年末の慌ただしい中、日程調整も大変だし、お金もかかりますが(苦笑)。

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ジューダスプリースト 来日2018

ツアー最終日武蔵野の森、行ってきました!

グリーンマナリシの復活は嬉しいですねえ。僕のジューダス初体験は、この曲をワイト島ライブから12inchシングルカット、ロブの「オーイエー!」からなので。

ファイアーパワーのレビューでも書きましたが、本当は鋼鉄神ティタニカスの巨大模型セットを組んで欲しかったんだど😅まあ今の時代はプロジェクターがありますからね。

グレンは、やっぱり彼がいるだけでもたらされるグレン・マジックがありましたね。来てくれて本当にありがとう!

 

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ミヒャエル・ザンデルリンク指揮・東京都交響楽団のショスタコーヴィッチ交響曲6番。

東京文化会館・ミヒャエル・ザンデルリンク指揮・東京都交響楽団ショスタコーヴィッチ交響曲第6番。

これでやっと、15作品もあり、5番を除けば実演機会になかなか恵まれないショスタコ交響曲を全て、実演体験コンプリート!パパ・クルト・ザンデルリンク盤がこの6番の録音では最も好きな訳だが、今日のマエストロが、まさにその息子なのを忘れてたよ(笑)お父さんのような瑞々しい躍動感はまだあまりないが、重厚さとキレがあって良かったんじゃないか。

 

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ディープ・パープル 最後の?来日ツアー 大阪フェスティバルホール

幕張公演がどうしても都合つかず、大阪行って来ました!
直前購入だったけど、見やすい席が取れて、かえって良かったかも🤗

年も年だから仕方ないけど、バンドメンバーあまり動き少なく・・・これで大丈夫かなぁと思いきや、後半から演奏のテンション上がってきたのはさすがでした。特にPerfect Strangers、Hush、ラストのBlack Nightは良かった。

もうこれで、見納めとなっちゃうのかな・・・No Goodbye・・・

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タンジェリン・ドリーム復活と新作Quantum Gate

タンジェリン・ドリーム(以下、TD)の総帥、エドガー・フローゼ他界から早3年すぎ。フローゼ御大のいなくなったTDは、もはや新しい動きはできないだろう、とあきらめていたが・・・TDが残されたメンバーで活動し、新作もリリースしていたことは、まこと不勉強ながら、つい最近まで知らなかった。現在のメンバーは、Thorsten Quaeschning、Ulrich Schnauss、そして日本人のバイオリン奏者、山根星子さんの3人。今回の新作「QUANTUM GATE」は、フローゼ御大存命中から構想され、御大の指示に基づいて制作が行われたらしい。

実際どんなものだろう、ということで音を聴いてみると、フローゼのスピリットを充分に引き継いでいるサウンドだなと思った。フローゼが存命でこのアルバムが出ていたとしても、全くおかしくない出来となっている。全体的には、80年代前半の、TANGRAM~LOGOSあたりの印象に近い。70年代前半のような既成概念を打ち破るサウンドや、21世紀の傑作「長崎・夏」のような強烈な印象は受けないが、充分に「音楽的」でありつつ、あまたのイージーリスニングヒーリング系の多くの音とは明らかに一線を画している。ゆったりと進行しながらも、徐々に高揚感が増してくるのがTD。そういえばあの懐かしい、フェードラのシーケンスもちょっと引用されている。

山根さんのサイトやツイッターなどで、TDの最新の活動ぶりもかなり把握できるようになった。最近のセットリストを見てみると、PHADRA、RICOCHET、LOGOS、WHITE EAGLEなども演奏されている模様。フローゼの遺志を受け継いで今後も活躍して戴きたいし、来日公演が実現してくれるといいなと思う。

 

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キャメル来日2018 ムーンマッドネス完全再現

5/17日川崎クラブチッタの来日公演に行ってきました。

開演前に、本日の公演は約3時間のプログラムになるとアナウンスがありました。えっ3時間も?Moonmadness完全再現と休憩を入れても1時間くらいだし、さらに2時間もやって演る方も観る方も疲れないかな?と正直思ってしまったのですが、あにはからんや。終わってみれば時間の長さを全く感じさせない、充実の内容。完全再現も期待通りの良さでしたが、後半が期待以上に楽しめたことが、嬉しい予想外でした。

アンディも元気そうで一安心。「クラブチッタの30周年おめでとう。実は・・・僕も誕生日なんだけどね。(場内拍手喝采)」といった意味のことを遠慮がちにMCしていて、ちょっと可愛かったです

 

ピート・ジョーンズの堂々と安定し、なおかつ繊細な心配りを持ったキーボードプレイは、彼がバンド史に名を刻むキャメルマンであることを確信させました。また、彼のヴォーカルは声質がキャメルに向いています。そして、サックスまで吹いていた!さらには、サックスのプレイ合間にキーボードのバッキングまで(これで目が見えないとは信じられない)。こうなったらピートに、メル・コリンズのパートを演奏して貰えないかな、と思ったのですが、そうなるとキーボードのパートが欠けちゃうか。

ピートの「ツギハ、シンキョクデス!」のMCではじまった新曲もなかなかでした。まあいわゆる、プログレプログレした曲ではないですが、しっかりした旋律の組み立てと、キャメルらしい叙情性を感じられました。もしかして、ピートのペンによるもの?ニューアルバムの制作にも取り組んで戴きたいし、今後の楽しみが増えました。

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ヘルベルト・ブロムシュテット ベートーヴェン・チクルス完結の交響曲7、8番

オーチャード定期・ベートーヴェン8番&7番、行ってきました。数日前のサントリーホール公演での口コミは事前に見ないように注意して、と(笑)。コンマスは篠崎マロさん。

まずは8番、個人的にも大好きな曲。そして、この作品が7番と9番にはさまれた、こじんまりとした小品、というような意見が昔から全く気に入らない。7番は、リズムの神化といわれたりするが、8番も7番以上にリズムのエッセンスを凝縮した、エキサイティングな曲だと思っているけど、実際にはわりとこじんまりとしてしまう演奏もよくある。その点、巨匠の8番は、瑞々しい弾力性に富んでいて、弦の細かな刻みにも躍動感が感じられる。べートーヴェンの要求するテンポと、演奏のクリアさとの両立はなかなか難しいみたいで、この辺りは結構論議の対象になるみたい。テンポをゆるめると、こじんまりとしやすくなるし、快速(要求されるテンポ)になると演奏が雑になるリスクがある。4番の時も思ったけれど、巨匠が振ったゲヴァントハウス盤も今回のN響も、そのあたりのバランスがかなり配慮されていると思った。

7番は腰のしっかりとしたスケールの大きな演奏。指揮台での動きはかなりシンプルだし、これ見よがしな誇張もないけれど(歌心はある)自然にクライマックスを生み出していく。ゲヴァントハウス盤よりも情熱的に聴こえた。フィナーレも奔放に鳴って終わり、満足しました。

これで2015年からの長きに渡った、ベートーヴェンチクルスも終わりました。感慨深いものがありますが・・・個人的にはバンベルクとの田園を逃したのが悔やまれます。秋にN響とのBプロでまた田園をやりますので、そこになんとか参加できれば、やっと自分の中でチクルスを完結できる気がします(この際、一連の流れでN響と5番だけやらないことになるので、来年改めて5番を取り上げて戴く、というのもいいかも)。

なお、ブロムシュテット 巨匠はこのたび、めでたく「旭日中綬章」を受賞されたようです。

 

ヘルベルト・ブロムシュテット ベートーヴェンN響 Cプログラム

昨日のCプロ行ってきました。

前半のピアノ協奏曲4番、これで聴きおさめとなるピリス(ピリシュ)。イントロのピアノのタッチだけで、先週の大阪でのリサイタルの感銘が戻ってきました。劇的なアタックも派手なテクニックもなしで、これだけ心に染み入る演奏を聴かせてくれるとは・・・至福の時でした。アンコールは大阪と同じ、ベートーヴェン・バガテルの5番。

後半は交響曲の4番は、期待にたがわぬ若々しい演奏。ゲヴァントハウス管の最新盤よりもやや力感に富んだ箇所もあったと思う。この録音にくらべるとけっこうドライに感じたけれど、NHKホールの音響のせいもあったかな。演奏する方はかなりの難曲みたいで、知り合いにファゴット奏者の人がいるので聞いてみたら、できればやりたくない曲だと言っていました。そういえば、マエストロが最後の音を振り下ろしざま、すぐに客席の方を向く、というのは、同じベト4番でパーヴォ・ヤルヴィノリントンでも見たことがありますね。振っているとそういう気分になりやすい曲なのかも知れません。
 
 

 

マリア・ジョアン・ピリス最後の来日コンサート 大阪シンフォニーホール

これが最後の来日となるピリスですが、僕は14日大阪シンフォニーホールのリサイタルに遠征してきました。12日のサントリーホールでのベートーヴェン・プログラムの評判がかなり良かったみたいで、これで最後だし、ベートーヴェンピアノソナタはあと大阪しかやらないし、やはりどうしても観ておきたい、となって。

 

曲目はピアノソナタの8番悲愴、17番テンペスト、ラストの32番。私事で恐縮ですが、8番は自分でも10代の頃弾いていた曲(第一楽章のみですが)で思い入れがあります(大したレベルの演奏ではありませんが)。それはさておき、彼女の演奏はとても歌心にあふれたもので、ここまで優雅に旋律を歌わせられる悲愴ソナタを、今まで聴いたことはありませんでした。

圧巻は32番の最終楽章で、遊び心あふれ、かつ包容力豊かな演奏でしたね。大阪のお客さん達も、最後はスタオベで名残を惜しんでいました。これで、東京に戻ってのヘルベルト・ブロムシュテット巨匠との共演がますます心待ちになってきましたが、ラストなので寂しい気持ちもあります。

実は大阪遠征は今年3回目です。先月の大フィル・井上道義氏のショスタコーヴィチ2、3番(好きなんですが、全国レベルでも10年に1度実演あるかどうかのマイナー曲で外せなかった)、先々週の尾高忠明氏の大フィル監督就任のブルックナー8番ときて、今回のピリス引退公演。市内の移動も少し慣れてきました。年内にあと2、3回行くかも(笑)。