Japanese Pogressive Rock Fes 2014 29th, March 2014, Club Citta'
2010年代に入り、プログレの本格復活が世界的な潮流となりつつある現在、ついにこの日本においても、クラブチッタ川崎にて未曾有の企画が実現された。
なんとジャパニーズプログレ6バンドによる6時間予定のプログラムが組まれ(しかも実際には約40分ほど終演時間が押した)、かってシーンを牽引したバンドと現在頼もしい活躍を見せるバンドが一堂に会する豪華な組み合わせとなった。かってシーンを演る方も観る方も、エネルギーを要する1日となった訳だが、終わってみれば、各バンドが限られた時間の中で持ち味を発揮し、名演が続出。
おそらくは膨大な機材セッティングのためオープニングで登場、要塞キーボードを華麗に操りながら歌う厚見氏とムーンダンサーの驚嘆すべきパフォーマンス。
独自の音世界を切り拓きつつあるステラ・リー・ジョーンズ。
幻想的世界を鍛えこまれたアンサンブルで見事に表現したユカ&クロノシップ。
会場を独特の幽玄空間へと変容させた新月。映像やラジオノイズ、フルート系のメロトロンの使い方も絶妙。
見事なテクニックで安定感抜群の難波弘之&センス・オブ・ワンダー。
さすがの貫禄で場内を瞬く間にノセたあノヴェラ。アンジーのハイトーンボイスも健在で、名作「聖域」から多く選曲されたのも嬉しい。
相当のスタミナを要したこと自体も含め、観客の心地よい記憶として深く刻まれるイベントとなっただろう。洋モノでも登場機会の激減したメロトロンの生音を堪能する、貴重な機会ともなった。また、次回があるなら、あのバンドは今?このバンドもぜひ見たい!と想像をめぐらせた人達も少なくなかっただろう。