Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

PFMの二枚組新作「イン・クラシック」

PFMとオーケストラの共演による2枚組の大作。

1枚目は、クラシックの名曲が取り上げられており、モーツアルトの「魔笛」序曲や、マーラーのアダージェット、イタリアのオペラ大家ヴェルディの「ナブッコ」序曲など7曲。2枚目は、「新月~」「九月の情景」など、おなじみのナンバーをリメイク。

1枚目は、オーケストラ原曲の素の部分はそのまま生かされており、独自に構築されたバンドパートとの対比で魅せていく、いわば協奏曲とでもいうべき仕上がり。
2枚目は、協奏というよりはむしろ、PFMサウンドの中にクラシック的表現を溶け込ませた、交響的色彩となっているのが興味深い。いずれも、バンドのメンバーの類い稀な意欲と素養、そしてPFMの楽曲が持つ普遍的な魅力があって、はじめて実現できたことだ。

改めて驚くべきは、メンデルスゾーンのイタリア交響曲冒頭~祭典の時が一続きに演奏されても、何の違和感もなく自然なこと。これにはどちらの曲も大好きな筆者としても意外なのだが、メンバ-の目論んだ「異なる音楽文化の掛け橋になりたい。」という目論見が、ものの見事に達成されている証左だろう。ウイリアムテル序曲は、やはりオケとの共演は非常に相性抜群。