Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

カーヴド・エアの “North Star“

ソーニャ・クリスティーナの、エディ・ジョブソン来日公演での健在ぶりが記憶に新しいところに、カーヴド・エアの新作(内新曲7つ)がリリースされた。

このアルバムには、やはりダリル・ウエイもフランシス・モンクマンも、エディも参加していない。だが骨太なアンサンブルとがっちりとした構成力は、バンド史上でもなかなかパワフルな力作となった。

これは、キーボードとバイオリン奏者が分かれ6人編成と手厚くなったこと、また特に、エア・カット期の名ギタリストである、カービィ・グレゴリーの復帰が大きい。

かってエディに優るとも劣らないほどに貢献が多かったカービィが、ソーニャのワイルドな魅力をうまく引き出している。かっての中核メンバーがいないからと高をくくってかかると、新曲「ステイ・ヒューマン」の気合いぶりや「タイム・ゲイムス」のクワイエット・サンやカーンを彷佛とさせる変幻自在さに度胆を抜かれてしまうだろう。

70年代にあったこのバンドの情緒不安定さ(ある種意図的なものであり、魅力でもあったが)が払拭されており、それはセルフカバーの「パペット」「シチュエーション」や「ヤング・マザー」でも貫かれている。ビートルズやポリスなどの名曲カバーにもソーニャの新たな魅力を発見可能だ。

 

※2019/3追記補足 今はCDは入手が難しいみたいですね。

iTunes では聴けるようです。

 

f:id:ricozeit:20190318215525j:image