Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

モルゴーア・クァルテット LIVE REPORT 10th, February , Tokyo Metropolitan Theatre Playhouse

プログレの名曲を弦楽四重奏で見事に表現し話題を呼ぶモルゴーアの公演。

今回はピンク・フロイドの太陽讃歌~今回初演となる原始心母でスタート。原始心母は全曲ではなくコンパクトに再構成されたものだが、荒井英治さんの第一バイオリンが、デイヴ・ギルモアーのブルージーなギターをうまく再現しているのは脱帽。

そして、本日注目のイエス「危機」全曲再現である。
冒頭からして、荒井氏の高音のトレモロであの自然音のイントロをうまく表現している。荒井氏のパートは必ずしもメインメロディを奏でるとは限らず、むしろ4人でリードをうまく分け合っている。それもまず低音のチェロから歌い出すあたり、ベートーヴェン以来の弦楽四重奏の伝統も重んじつつ。また彼らが得意とするショスタコーヴィッチの四重奏曲の香りも感じる。それらが、プログレ愛と、見事に両立しているところが驚異。荒井さんは主旋律よりも、むしろスティーヴ・ハウのギターパートであったり、ロック的な音での印象度が高い。

危機「A面」が終わった所で、場内、かなりの盛り上がりを見せた。この後休憩。荒井さんによると、「B面」に移る前に、あえてアナログ的にインターバルを取ったそう。

この後、定番の悪の教典第1印象1、21世紀の~で堪能させてくれた。
アンコールは、6月発売予定の新譜から、クリムゾンの堕落天使。新譜には危機や原子心母に加え、レッド、トリロジー、シネマショウ等が収録、また6月26日浜離宮で、40回記念公演も予定されているとのこと。非常に楽しみである。