Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

長州力引退試合・2019/6/26後楽園ホール

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長州力の試合を前回生で観戦したのは、いったいいつだっただろうか?
ふと、記憶をたどって思い出してみると、おそらく新日本プロレスの2001年東京ドーム、故・橋本真也氏との遺恨マッチ以来だった。打撃技の応酬に終始し、フォールで決着をつけようとしない、殺気立った両者の試合ぶりに藤波社長(当時)が、このままでは危なすぎると試合中止を命じ、観客が大荒れになった。あの試合以来ということは、あれからもう18年も経つのか。

長州の最初の引退・東京ドーム1998年の試合は、知ってはいたが見に行く気が起きなかった。長州1人対若手中心の5人掛けというマッチメークが当時どうにもピンと来なかったし、まあたぶん、いずれ復帰するだろうと思っていたので。ただ今回の引退試合は、もうこれで最後になるだろうと思った。長州に関してはもう復帰はないだろう。腰の重い自分だが、対戦カードが決まらなくてもチケットは早めに購入しておいた。

できれば、長州のライバルであり、今日スペシャルゲストでも来場した天龍が、オカダカズチカと最後に対戦したように、長州も今後もプロレスで活躍していくであろう、下の世代の選手とのシングルマッチで引退して欲しかった、というのは正直ある。長州との縁が深く、かつ今後もプロレスの一線に名を連ねなければいけないレスラーがいい。そういう意味では、今回の6人タッグに名を連ねている、石井か真壁とのシングルで、最後の長州を見たかった。

しかし今回のこの試合、あの武藤の復帰戦という注目点もある。改めて6人の面子を確認しておくと、長州・越中・石井組 VS 藤波・武藤・真壁組である。自分の座席位置は、長州の登場する赤コーナー側に位置する絶好の場所!

さて、果たして実際の試合のカギを握っていたのは、真壁と石井であったと思う。そして自分の感想としては、この流れでよかったんじゃないかと思っている。

試合の最初では長州、藤波が登場、長州がいきなり掟破りのドラゴンスクリューを食らわせるなど、場内も大いに沸いた。だが試合の中盤後半では、両者の目立った絡みがあったわけではない。この両者は、長州最初の引退の時に、名勝負数え歌の「エピローグ」をいったんやってしまっているし、長時間絡む必然性はあまりなかったんじゃないだろうか。武藤は、入退場時、足をかばった歩き方だったが、試合では、ブランクを感じさせないさすがの動きだった。しかし長州武藤の絡みもそれほど目立ったものがある訳ではない。最終的に印象的に残ったのは、真壁と石井の打ち合い、長州と真壁の打ち合い、そして長州に最後のとどめをさしたのは真壁だった。長州は、往年のファイトスタイルには似つかわしくなく、真壁のニードロップを耐えて耐えまくり、そして最後に力尽きた。

真壁もこれを機にもう一度ブレイクして欲しいね。

最後にマイクを取った長州だが、往年のマイクのようなピリピリとした怒気は、もはや感じられなかった。近年よく出演するようになったTVでのトークの印象に近い。奥さんをリングに上げてねぎらい、馳氏をリングに呼び、かなり和やかなムードで締め、ご本人もホッとしたのではなかろうか。いいタイミングでの引退だったと思う。

最近は「相席食堂」などの番組出演で天然発言を連発し、千鳥らの芸人にいじられる長州氏も、じつはけっこう好きだ。個人的にも、大いに笑いを取らせてもらっている。飯田橋にあるというお店も、一度行ってみたい(と思ったのですが、残念ながら閉店となったようです)。

 

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