Ricochet

音楽ものレビュー、雑談用のブログです。2019/2/24開始。

イエス「危機」スティーヴン・ウイルソン・リミックスCD

前回の「こわれもの」リミックスUHDCDに続いて、「危機」UHDCDを取り上げてみたいと思います。

ポキュパイン・ツリーのスティーヴン・ウイルソンは近年、キングクリムゾン、ジェスロタル、ELPなどの名作をサラウンド・リミックス。個人的にも気にはなっていたものの、 サラウンド環境がなかったので、今まで手を出さずに来ました。

なんでも、一説によるとクリムゾン「リザード」のサラウンドリミックスは、あのフリップ自身の、このアルバムへの評価さえ変えてしまったとかという話さえあるようです。一体どんだけすごいんだ?という幻想と興味は持っていましたが。 。

 

さて今回の「危機」リミックス、手持ちの2003リマスターと聴き比べましたが、正直、あっと驚くような明確な違いが感じられたわけではありません。その観点で言うなら、前回取り上げた「こわれもの」リミックスの方が、まだ多少、興味深い違いはありました。

まあ細かいところで、冒頭の自然音や「盛衰」の水滴の音は若干リアルに聴こえます。またこわれものと同じく、ベースのウネリは起伏が増してます。あとは「同志」のアコギのはじきが臨場感があり、音の抜けが少しいい、とか。「シベリアン・カートゥル」の、あのバロック風のキーボードソロ部分がクリアとか。差異があることはあるんですが、意識して聴き比べるとわかる部分もあるけど、まあ、あっと驚くほどの差ではないかな、と。

しかし、全体的に音がナチュラルで、デジタルくささが少ないように思いました。そもそも、このナチュラルな聴き心地、というのが一番の狙いなのかも知れません。

他のアーティストのリマスターもので散見された、コンプレッサーでの音圧上げのため、ヴォリュームを上げたり低音を強くすると音が潰れやすい、という点は見られないです。むしろ、ヴォリュームを上げると、旧盤では音がキンキンする場面でも気になりにくい、といった工夫がなされていると思いますね。それなりの大きめな音量で聴くのに向いているかもです。音量を絞ると、差はかなりわかりずらくなりました。

 

まあ、もともとこれらのリミックスが、サラウンドで聴くためのミックスであれば、サラウンドであれば、もっとプラスアルファの明らかな聴感上の差もあるのかも知れませんが。ただ、ちゃんとしたサラウンドの環境を手に入れるとなると、なかなか大変ですよね。以前、とあるお方のご自宅にある、非常に立派なサラウンドシステムを拝見拝聴させていただいたことがありますが、もちろん予算もケタ違いになるのと、それなりのスペースも要る場合も。スピーカーもかなりの大きさがサラウンド効果の体感には必要、という意見も聞いたことがあります。

以前、レクサスのカーオーディオが、マークレビンソンのサラウンドシステムが標準搭載と知って、そのオーディオ環境を手に入れるためにレクサス欲しいなあ、とか、ちらっと思ったことありましたけど(笑)

話逸れましたが、他のイエスのリミックスアルバム(サードアルバム、リレイヤー、海洋地形学)なども、さらに聴いてみるかも知れません。

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